ケアプラン作成(介護サービス計画書)に関する疑問にお答えします

ケアプラン作成(介護サービス計画書)に関する疑問にお答えします

「自分が作成したケアプランは本当にこれでいいの?」

ケアマネジャーは、ケアプランの作成に自信がもてなかったり、迷ったりするケースはありがちですよね。

この記事では、ケアプラン作成に関する疑問やお悩みにお答えします

ケアプランとは|要介護者への介護サービス計画書のこと

ケアプランとは|要介護者への介護サービス計画書のこと

ケアプランとは、要介護者が適切な介護サービスを受けられるように作成される計画のことです。 

ケアマネジャー(介護支援専門員)が本人や家族の希望を聞きとり、心身の状態に合わせたサービスの内容を決定します。 

ケアプランは利用する介護サービスの種類や頻度、目標などが記載されており、介護保険を利用する際の重要な書類です。

【Q1】ケアプラン作成のコツと改善方法を教えてください

【Q1】ケアプラン作成のコツと改善方法を教えてください

ケアプランを作成する際に自分なりのルールはあるものの、他のケアマネジャーのプランと比べてよい作成方法や表現にするにはどうすればいいですか?

またどこをどう変えれば、よいケアプランになるのでしょうか。

—A1. 居宅サービス計画の作成ルールにそって見直しを

自分のケアプランがこれで本当によいのか迷ったときには、居宅サービス計画の作成ルールに立ち戻って考え直してみましょう。

「ご利用者の日常生活において尊厳をどう保持し、自立度をどう高めるか」が具体的に書かれているかがポイントです。

なかには長期目標に具体性がかけていたり、空欄が目立つケアプランを目にすることもあります。

ケアマネジャーの視点で専門的かつ客観的に、1つひとつチェックしましょう。

【見直しのポイント】

  • ご利用者やご家族の生活に対する意向が明確に書かれているか
  • ご利用者とご家族の言葉はわけているか
  • 話した言葉をいかしているか

できあがったケアプランがぶれている場合は、課題そのものが明確になっていないことがほとんどです。

ご利用者やご家族の困りごとと、ケアマネジャーの意見をすり合わせたものになっているかを確認しましょう。 

そして、つぎのような作成の手順に従って見直していきます。

  • 尊厳ある自立をめざした総合的な援助方針であるか
  • 長期目標は課題を克服するためのものであるか
  • 短期目標の項目と必要なサービス内容が明確か

これらのていねいな見直しで、よりよいケアプランが完成します。

【Q2】本人や家族希望中心のケアプランになってしまいます

【Q2】本人や家族希望中心のケアプランになってしまいます

ご利用者から開口一番に「ヘルパーさんに来てもらいたい」と希望されたので了承したのですが、ケアプランとのつじつまが合わなくなってしまいます。

どうすればいいでしょうか。

—A2. 居宅介護支援の基本方針を確認しましょう

ケアプランができあがる前にサービスが登場する「ケアプランの後付け」は、あってはならないことです。

しかし実際には「週2回ヘルパーさんに来てもらいたい」と言われて、「そうしましょう」とご利用者の要望を簡単に受け入れてしまうケアマネジャーはけっこういます。

「ケアプランでつじつまが合わない」は本末転倒です。

アセスメントから課題を抽出し、必要性があるかどうかを担当者会議で検討します。

【見直しのポイント】

居宅介護支援の基本方針を確認しましょう。

居宅介護支援は、たとえ要介護状態の人であっても、可能なかぎりその人の能力に応じて自立した日常生活を営める配慮が基本方針とされています。

おざなりなアセスメントで訪問介護の回数を決めるのは、自立支援という目的に反することともいえるでしょう。

【正しい支援のために】

  1. 情報を収集し
  2. 課題を見つけ、分析し
  3. 長期目標・短期目標を導き出し
  4. その上にサービスを位置づける

このプロセスがあってこそ、正しい支援につながっていきます。

【Q3】どうすれば自信をもってケアプランを作成できますか?

【Q3】どうすれば自信をもってケアプランを作成できますか?

複数サービスの組み合わせなど、これでいいのかいつも不安です。

どうすれば自信をもってプランを立てられ、ご利用者に説明できるようになりますか?

困難事例の適切な対応方法も教えてください。

—A3. 各種介護保険サービスの理解や情報収集と先輩ケアマネへ相談を

自信をもってケアプランを立てられるよう、各種サービスについての理解を深めましょう。最新情報を得る人脈やルートの構築と、情報収集の努力を続ける必要があります。

【よりよい対応のために】

その上でサービスのミスマッチなどの不安があれば、サービス担当者会議で「プランに不具合や不明瞭な点があったら指摘してください」とアドバイスを求めるのもよいでしょう。

また、自分自身で支援が難しいと感じるご利用者がいるのなら、まずは先輩ケアマネや管理者などに支援方法を相談する段取りをとりましょう。

【Q4】記録や文書のよい表現が苦手です

【Q4】記録や文書のよい表現が苦手です

分析をプランに落とす際、文章を考えるのに時間がかかります。

言葉として落とせないのが悩みで、文章で埋めるのが苦手です。

—A4. 事実を具体的に、わかりやすく書くことでよりよい介護の継続へ

「文章を書くのに時間がかかる」「いい表現が思いつかない」、そんな悩みをもつケアマネジャーは少なくありません。

ケアマネジャーの仕事はアセスメント記録、ケアプランの作成、サービス担当者会議の議事録などと、文章を書く場面はとても多いですよね。

文章の書き方にはコツがありますので、心得ておきましょう。

【書き方のポイント】

ケアマネジャーは、文章を書く力を高める努力は必要ですが、小説家になるわけではありません。

じょうずな文章を書く意識よりも、誰が読んでも内容が理解できるものである方が重要です。

事実を「簡潔に」「具体的に」、プロとして「客観的に」書いていきましょう。

ケアマネジャーのケアプラン作成で最適な介護サービスを

ケアマネジャーのケアプラン作成で最適な介護サービスを

ケアプランの作成は、ケアマネジャーの大切な仕事のひとつです。

基本に立ち返り、正しい支援のために情報を収集して、課題を分析し目標を導き出し、その上にサービスを位置づけます。

その結果、ご利用者に対してよりよい介護を、組織的に、そして継続的に提供できるようにしていきましょう

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